成澤秀麗さん 「書は鏡、内面の美しさが偽りなく表れる」

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“文字”と“美”は表裏一体
自分の内面を練るほどに輝きを増す/ACT重視型

美容の達人/Profile

成澤秀麗さん(なりさわしゅうれい)

書道家、カウンセラー、エッセイスト。小学校1年生のときに書道の先生になると決意、社会人になり書道を再開し師範を取得。2001年に内閣総理大臣賞を受賞後、OLを辞め、独立する。日本テレビ系「恋のから騒ぎ」に出演するなど、書道の楽しさを世間に広めるべく積極的な活動を展開し始める。青山学院大学で心理学を学び、より人の心に訴えかける効果を探った結果、色や英語を使うなど既存の枠にとらわれない作風が評判を呼び、日本はもちろんアメリカやベルギーなど海外各地で個展を開催。一方で産業カウンセラー、エッセイストとしても活躍。自著に『文字が変われば、ココロも変わる。』(学研)がある。
http://www.narisawashurei.com/

「遊び文字」を知っていますか? ピンクに黄色、赤に青、時にはイラストを組み合わせて書くという、自由な発想で行う書道のこと。そんな独特の方法を確立し、注目を浴びている書道家、成澤秀麗さん。見ているだけでウキウキする作風の秘密は、彼女の書道哲学にありました。OL時代に通った書の学校で学んだ、創作の楽しさ。もっと漢字の魅力を引き出せないものかと模索した結果、「黒と白」の枠を打ち破ることにしました。それが、今のスタイルを生み出すきっかけになったそうです。そしてそれは、自身の美と深〜い関係がありました。

書は鏡、内面の美しさが偽りなく表れる

「書道は、字の書き方や書き順などを習う『習字』とは違います。勉強を超えて、表現の幅を広げ、その人の字の良い部分を膨らませるのが『書道』です。知識や技術も創作力を身につけるためには欠かせませんが、発想そのものは自由でいいんです」
そう断言する成澤さん。書道は彼女にとってまさに鏡。そこには、自分の内面がダイレクトに表れるといいます。
「書道では、技術をひけらかそうとしたり、欲を出そうとしたりすると、それが文字に出てしまいます。そうすると、作品がギラギラしてマイナスになってしまうんです」

自分の内面がそっくりそのまま反映されてしまう書道。だからこそ、より魅力的な作品作りのために、内面の美しさを磨く努力は欠かせません。
「日常で出合ったものひとつひとつの美しさを素直に受け取ることが、私にとって内面の美を磨くコツです。落ち葉を見つけたら、『葉っぱが落ちてる』ではなく『赤いグラデーションがきれい』と感じられるようにしています。できるだけ多くの美を意識することで、感受性を高め内面にインプットする。身につけた美の引き出しが多いほど、より表現力豊かな字をアウトプットできるんです。取り込んだら出す。新陳代謝って書道の場面でも大切なんだなって気がつきました」

beautyの書 そうして文字の美しさを追い求め、内面を高める努力をするうちに、驚くべき変化が表れました。なんと、外見をほめられるようになった上に、気分も爽快(そうかい)。いきいきとした自分を、実感できるようになったのだそうです。
「書道で独立してから、よく若くなったと言われます。健康診断でも、前は低血圧低血糖という結果だったのに、今はすべての数値が良くなって、本当にびっくりしました」
日々コツコツと、内面の美を高めようと意識してきたことが功を奏したのでしょう。目標に向かって、どうしたら達成できるかを模索し、努力してきた成澤さんが、内だけでなく外からの輝きを増すのも納得です。

ついに発見、重要なのは「ぶれない自分」をつくること

tadayouの書 内面と外面をともにブラッシュアップしたからといって、そこで歩みを止めようとしないのが、成澤さんのすごいところ。きれいだと感じる場面を生活の中でもっと積極的に見つけていこうと、カメラを買って写真を撮り始めました。もちろん、肉体的な美への気遣いも怠りません。ヨガや空手も始めました。幅広く趣味をこなすうち、書道も趣味も、極めるために重要なことはすべて「美」につながっていることに気づいたとか。
「物事を学ぶ上ですべてにおいて大切なのは、体の根幹を鍛えることだったんです。書道も紙の真ん中に体の中心を合わせるし、空手も体の軸がぶれないようにします。ぶれないというのはつまり、無駄な動きを省くこと。無駄をそぎ落とした状態こそが、美しさだと思うんです。それは、周りに流されず自分自身をしっかり持つことや、病気に左右されない健康な体をつくることにもつながっています。体調がすぐれないと、やっぱり字もゆがむんです」

自分の中の確固たる芯(しん)を持つことがすなわち美であり、しいては美しい字を生み出すことにつながる。奔放なスタイルで文字を書く一方で、しっかりとした軸の存在が欠かせないのです。
「思いつきで作品を書いているように思われがちですが、基礎を身につけた上で書いています。しっかりとした基礎を持つことはとても大事ですよ」

内面を磨くことや体の軸をぶらさないことなど、着々と鍛練を重ねていく成澤さんですが、「書道は一生勉強。私はまだまだ浅いです」と、いたって謙虚。
「今年の目標を漢字で表すと?」との質問に、すかさず出てきた回答は「練」。
「今まで詰め込んできた知識を自分の中にもっとしっかり練り込んで、心と体だけでなく技の面も、心技体すべての根幹を鍛えたいです。そして、さらに面白い作品を生み出せるようになりたいですね」
ますます練磨し続け、自分の内面を高めていく成澤さん。2008年、どのような美しさを身につけ、集約された美のエッセンスがどのように花開くのか、ますます目が離せません。

成澤秀麗さん 美のこだわりアイテム

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