

健康な胃は、胃酸やペプシンなどの消化液が、適量分泌されることで食べ物を消化し、蠕動(ぜんどう)運動によって食べ物と胃液を混ぜ合わせ吸収しやすい状態にし、次の消化器官である十二指腸に運びます。
また、胃酸は滅菌も行い、バリアの役目もかねています。食べ物が胃の中で消化される時間は1時間ほど。消化の悪い食べ物は、2〜3時間かかります。さまざまな原因で胃酸の分泌量が減ると、消化機能が悪くなるため、デンプンが分解できなくなり、胃もたれなどの不快症状を感じるようになります。

胃酸により、胃の中は強い酸性。そのため、胃の中に生物は生息できないと考えられていましたが、1983年にオーストラリアのワーレンとマーシャル、2人の研究者によって、胃粘膜の中に生息する「ヘリコバクター・ピロリ菌」の存在が明らかになりました。さらに、この細菌によって胃炎・胃潰瘍(かいよう)などが引き起こされることがわかったのです。そしてなんと、日本人の50〜60代のうち70%がピロリ菌に感染していると言われています。
ピロリ菌は、上下水道が整備されていない途上国で感染率が高く、免疫が不十分な子どものときに口から感染します。日本でも50〜60代に多いのは、子どものときに井戸水を飲用していたためと考えられています。若い人の感染率は低いですが、ピロリ菌に感染している親から、幼児期に食べ物をかみ砕いて与えられた人などは、感染している可能性が高くなります。
ピロリ菌に感染すると、必ず胃炎や胃潰瘍にかかるわけではありませんが、胃に不快感のある人は一度病院で検査することをオススメします。ピロリ菌を除菌するには、抗生物質を1週間服用します。また、ヨーグルトにはピロリ菌の殺菌作用はありませんが、増殖を防ぐ制菌作用があります。
取材協力:ムラタクリニック 村田院長
「ムラタクリニック」は、消化器専門のクリニックとして、内視鏡検査をはじめ、超音波検査やX線検査を行っています。また、西洋薬だけでなく漢方やアロマセラピーも併用し、患者さん一人ひとりに合った総合的な治療を目指しています。
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